当院の治療方針

当院の4つの治療目標

当院は整形外科分野の症状を訴える患者さんに対して、全人的医療の視点を導入することにより

 

  •  全人的な痛みを軽くする
  •  夢、希望、楽しみを応援する
  •  未病を治し、命を守る
  •  相対的健康を生成する

 

という4つを治療目標にしています。

 

整形外科を訪れる患者さんの症状を、専門病院へ紹介すべき身体の器質的疾患(手術や入院治療を要する)や身体の症状に潜んでいる精神疾患(うつ病、神経症など)かどうかを診断し、専門医に紹介した後に、整形外科領域の症状を全人的医療の視点で見ることにより、4つの治療目標を実現します。

 

  • 全人的な痛みを軽くする

整形外科領域の痛み(部分のからだ)などの症状は、全人間的(全体のからだ・こころ・環境・やりがい)な苦しみの一部の症状や疾患と位置づけ、診断し、いろいろな方法で治療を施すと同時に、向かいあった一人の人として相談にのります。

整形外科疾患と間違えられ、見逃しが多く、治療法が難しい、機能性身体症候群(痛み、疲労、睡眠障害、その他の多彩な症状)を診断し、いろいろな方法で治療します。

 

  • 夢、希望、楽しみを応援する

スポーツ選手、スポーツ愛好者、いろいろな趣味(畑仕事、釣り、山登り、旅行など)を応援するために診断、治療して、リハビリテーションで機能回復させ、トレーニング等で強化し、時にスポーツチームに帯同します。

 

  • 未病を治し、命を守る

肩こり、腰痛、五十肩などを、疲労、ストレス病の機能性病態(未病、病気が発症する前の状態)と診断し、体を壊し、死に向かう方向を、いろいろな方法で、治療し、一緒に協力して寿命が長らえる生活習慣や考えへ修正していきます。

 

  • 相対的健康を生成する

機能的病態、器質的疾患、致死的病態の方の痛みや苦しみに寄り添い、その方のたくさんの身体的な資源(健康な部分の身体、不自由ではない身体)、心理的な資源(考えた方の修正、生きる欲求の活用)、社会的な資源(家族、友人、地域社会など)、実存的な資源(生きる意味、やりがい)に気づき、利用し、総合的に整った状態、相対的健康、生きている喜びを一緒に生み出していきます。

全人的医療について

全人的医療という言葉が医療で初めて使用されたのは、1980年代、プライマリーケア学会で当時、九州大学心療内科教授であった池見酉次郎先生によると云われています。全人的医療は新しく提唱された医療モデル(パラダイム)のことです。

 

池見酉次郎(19151999

 

モデル(パラダイム)というのは、うまくいくための考えかたの枠(フレーム)を言います。〝モデルがなければ科学は育たない〟と言われています。

心身医学の基本的医療モデルは身心(心身)一如です。心身一如という表現と、身心一如という表現がありますが、池見先生は身心一如という言葉を好んで使っていました。しかし、後年、先生は心身医学を全人的医療に転換しなくてはならないと考え、身心一如(池見モデル)からWHO名誉教授でニューヨーク大学のステーシー・デイ教授によって提唱された身体・心理・社会的 健康モデルへ転換しました。それは精神科医であるジョージ・エンゲル先生によって医療モデルへと応用されました。しかし、池見先生は、それでは不十分と考え、身体・心理・社会・生命倫理 医療モデルを提唱しました。

永田勝太郎(1948~

 

永田勝太郎先生は身体・心理・社会・健康モデルを提唱したWHO名誉教授でニューヨーク大学のステーシー・デイ教授、日本の心身医学の創始者であり元九州大学心療内科教授で身体・心理・社会・生命倫理という初期の全人的医療モデルや西洋医学と東洋医学との癒合を提唱した池見酉次郎先生、実存療法(ロゴセラピー)を確立し、世界のベストセラーの「夜と霧」の著者であるウィーン大学のビクトール・フランクル博士たち多くの偉大な先人に師事し、その他の多くの医療研究者の教えを1つにまとめ上げ、池見先生との議論の末に、生命倫理を実存に変更し、人を人として見る医療モデル(新しいパラダイム)である身体(からだ)・心理(こころ)・社会(環境)・実存(生きがい)の医療モデルを提唱しました。

ビクトール・フランクル(19051997

 

私は17年前に永田勝太郎先生が提唱する進化した全人的医療を知り。培った整形外科医療のパラダイムから全人的医療のパラダイムシフト(パラダイムの大転換)に挑戦し、15年前に、医師1年生に戻る覚悟で、永田勝太郎先生からの直接のご指導に臨み、現在に至っています。

当院は、職種にかかわらず全スタッフが来院する患者さんを常に、1人の人間(身体・心理・社会・実存的存在)として見つめ、全人的(身体・心理・社会・実存的問題)な視点から診断、評価を行い、それぞれの職種を通して、痛みや苦しみに対する全人的治療(身体的・心理的・社会的・実存的資源に対するアプローチ)をチームとして全員で行います。

 

永田勝太郎:WHO(世界保健機関)心身医学・精神薬理学 教授:リヒテンシュタイン国際学術大学院大学 ビクトール・フランクル講座 名誉教授:公益財団法人 国際全人医療研究所 代表理事:日本実存療法学会理事長、日本疼痛心身医学会理事長、国際全人的医療学会理事長

永田勝太郎先生と(日本疼痛心身医学会にて)

 

全人的医療(身体・心理・社会・実存的問題)の評価

 

身体的問題

運動器系

器質的病態:骨折、脱臼、捻挫、打撲などの外傷、スポーツ障害、脊椎疾患、

変形性膝関節症などの変性疾患などの整形外科疾患

機能的病態:運動バランスの乱れ、筋力低下、日常生活動作の困難さ

全身系

器質的病態:体の痛みの原因となる、整形外科以外の疾患

機能性病態:体の痛みの要因となる機能性身体症候群

血行動態不良症候群、低血圧、低血糖、酸化、副腎機能低下、

低栄養など

 

心理的問題

感情、認知(考え方の癖)、行動(行動の癖)、欲求(エネルギーの使い方)の状況

 

社会的問題

家庭、職場、友人、地域等の状況

 

実存的問題

やりがい、生きる意味、生きる信念、世界観、人生観

全人的整形外科医療の検査法

 

全人的医療検査法

身体、心理、社会、実存的問題の検査(CHCW・SOC検査:特殊な検査)

整形外科的検査法

レントゲン検査、超音波検査、DEXA(骨塩定量)

各種血液検査

各疾患身体検査、神経学的検査

リハビリテーション的検査法

FIM等、身体機能評価検査

東洋医学的診察法

心身医学的検査法

ヘッドアップティルト測定(体位変換による血行動態検査)

一日血糖の測定(準備中)

酸化バランス防御系の測定(準備中)

酸化ストレス・抗酸化力

胸部レントゲン検査

ストレスホルモンの検査(準備中)

ACTH、DHEA-S、コルチゾール、カテコールアミン3分画

各種心理テスト(準備中)

全人的整形外科医療の治療法

治療に最も重要なのは、全人的整形外科医療の視点で、患者さんの資源(resource 健康回復のため、自分自身で持っているもの)を探すこと、スタッフ個々の治療的自我(therapeutic self;Watkins提唱 患者さんを健康にできる人格)を発揮することです。

そして、患者さんの私たちが効果的な資源になれることが目標です。

全人的医療を医療モデル(パラダイム)として、各種検査を利用し、診断し、当院の4つの治療目標を実現するために、整形外科保存的治療、ペインクリニック的治療、漢方治療、鍼灸マッサージ治療、心身医学的治療、運動器リハビリテーション、筋力、機能回復トレーニング、アロマセラピー、エステ、フットケアなどの多彩な治療法(統合的医療)のそれぞれの利点を生かします。

 

全人的医療(身体・心理・社会・実存的資源:当院の治療も含めて)の評価

身体的資源

運動器系

器質的病態:整形外科的保存的治療を施す医師

手術療法、入院治療ができる他院・専門病院の存在

機能的病態:機能を回復させることのできる理学療法士の存在

運動器リハビリテーション

残された身体的機能

全身系

器質的病態:専門的治療を施す、整形外科以外の他院・専門医の存在

機能性病態:血行動態不良症候群、低血圧、低血糖、酸化、副腎機能低下、

低栄養に対する対処

機能を回復させる、鍼灸按摩マッサージ師、アロマセラピスト

エステティシャン、漢方治療を行う医師の存在

心理的資源

認知(考え方の癖)、行動(行動の癖)、欲求(エネルギーの使い方)の

変容を促す

変容を促す、当院スタッフの存在

社会的資源

本人を支えてくれる家庭、職場、友人、地域等

治療的自我を発揮し、社会的資源として患者さんを支えようとする

当院スタッフの存在

実存的資源

やりがい、生きる意味、生きる信念を生かす

実存的変容を促す当院スタッフの存在

 

全スタッフがそれぞれの職種を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

医師の場合はマイケル・バリントの云う医師という薬を発揮します。

医師

全人的医療の診断の後、適切な治療の組み合わせを考え、それぞれのスタッフに依頼し、治療目標を実現します。全人的医療の診断・治療を通して、自身が持つ医師という薬を発揮します。

整形外科的治療:整形外科全分野の保存的治療を行います

ペインクリニック的治療:神経ブロック、エコー下の各種注射を行います

漢方治療:張明澄流・古典中医学による痛みの漢方治療を保険診療の範囲で行っています

心身医学的治療:機能性身体症状を改善する、薬剤の投与、生活スタイルの改善指導、

適切なサプリメント投与、食事療法、各種心理療法(実存療法、森田療法など)

 

鍼灸師:NLP認定者1名

鍼灸、マッサージ治療を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

看護師:国際アロマセラピスト1名、NLP認定者1名

整形外科看護業務を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

理学療法士:NLP認定者1名

運動器リハビリテーションを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

臨床放射線技師

レントゲン検査を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

診療支援・おもてなしスタッフ:NLP認定者1名

受付、診療アシスト、リハビリアシスト、筋力、機能回復トレーニング指導、

通所リハビリテーションを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します

 

アロマセラピスト:看護師、NLP認定者

女性に対して、アロマセラピー、エステを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

エスティシャン:エンビロン上級ディプロマ資格者

女性に対して、リンパマッサージ(術後、疾患を除く)とエンビロンスキンケアを通して、

自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

フスフレーガー:ドイツ・フスフレーガー認定者

フットケアを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

読書療法(ブリーフセラピー)

院内には、院長セレクションの身体、心理、社会、実存的問題を乗り越えるための書籍

が多数用意されています。

診察時に、適切な書籍をお勧めし、貸出すこともあります。

開業医療について

開業医療(マイケル・バリント、池見酉次郎提唱)について

ロンドン大学のマイケル・バリント、池見酉次郎が提唱する開業医療は、専門医療のはざまで全人間的な痛みや苦しみを人知れず抱えている地域の人たちに、救いの手を差しのべる医療です。そして、開業医療こそ全人的医療の場と言い切ります。

 

マイケル・バリント(1896~1970)

開業医療は、小さな専門病院では決してなく、地域の方々の全人的な痛みや症状のすべてに相談にのり、専門医医療の手術治療および入院治療以外の保存的治療を専門分野の決まりきった治療法にこだわることなく、患者さんに役に立つと考えられるありとあらゆる治療法、ありとあらゆる救いの手を差し伸べる医療です。

池見酉次郎(1915~1999)

 

また、専門医療施設を開業医の有能なアシスタントと位置づけ、必要なときは信頼できる専門医療施設、信頼できる専門医に紹介し、専門医療を施された後、再度、地域の方々の全人間的な痛みや症状に対して向かい合います。地域ぐるみ、家族ぐるみで、長い間お付き合いをしているため、皆さんの、健康状態の変化、ご家族の構成、お子さんの成長、性格や人格、お付き合いの様子、仕事内容、地域の行事など、身体、心理、社会、実存的情報がよくわかり、説明だけによって起こる、医療従事者の思い込みによる歪んだ解釈が少なくなります。そのことは全人的医療の実践の利点となります。

健康と健康生成論について

健康と健康生成論について

人は絶対的健康から死へ向かう存在です。そして、

1、絶対的健康

⇒2、機能性病態

   (病気まで至らない身体の不調 未病)

⇒3、器質的病態(病気)

⇒4、致死的病態(死のまぎわの状態)

⇒5、

この順番で死に至ります。

 

健康とは、WHO(世界保健機構)の定義が以下のように端的に表しています。

〝Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual, social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、単に病気がないとか、調子が悪いとかではなく、身体的にも、心理的にも、霊的(実存的)にも、そして社会的にも、人生の連続性の中で、どのステージでも総合的に整った状態である〟

 

アーロン・アントノフスキー(1923-1994)

 

イスラエルの健康社会学者アーロン・アントノフスキーはアウシュビッツの強制収容所に捉えられ生き延びたユダヤ人の方々の研究から、どんな困難な境遇であっても、乗り切ることのできた人たちは、ストレス対処能力であるSOC (sense of coherence : 首尾一貫感)が高いと報告しました。また、人生のどのステージ(機能的病態、器質的疾患、致死的病態)においても、さまざまなストレスに対して、SOC (sense of coherence : 首尾一貫感)を発揮し、総合的に整った状態であれば、健康(相対的健康)は獲得できるという健康生成論(saltogenesis:サルトジェネシス)を提唱しました。

SOC (sense of coherence : 首尾一貫感)には以下の3つの要素があると言います。
1,Comprehensibility (把握可能感、わかる)
2,Manageability (対処可能感、できる)
3,Meaningfulness (有意味感、意味がある)

SOC (sense of coherence : 首尾一貫感)の高い人は、強いストレスな状況に出会ったときでも、出来事や自分の変化を、客観的に、冷静に起きたことを理解する力があり(わかる)、そのことに対して、自分の持つさまざまな対処資源(身体的、心理的、社会的)を利用して乗り越えていく力があり(できる)、そして、乗り越えるための、人生の意味を持って生きている(意味がある)と述べています。

ホメオスタシス(恒常性)について

ホメオスタシス(恒常性)について

ホメオスタシスとは、人間などの動物が、身体の外や、自分の中の有害な状況から、自分自身を、守ろうとする仕組みのことです。ホメオスタシスは複雑の絡み合った仕組みで、あえて分けると、神経系(脳、自律神経系)、内分泌系(さまざまなホルモン)、免疫系酸化バランス防御系分子遺伝系筋骨格系が挙げられます。

人間に、有害な状況(ストレス)に置かれ限度を超えたときに、ホメオスタシスが乱れ、検査でははっきり断定できませんが、それぞれの系の多彩な症状(機能性病態)が出現します。そして、ホメオスタシスが破綻したときに検査ではっきりと診断できる病気(器質的病態)に至ります。

整形外科領域では、長く続き、繰り返す、肩こり、腰痛、神経痛、五十肩などは、器質的病態が一部を占めるものの、ホメオスタシスのうち筋骨格系の機能的病態と解釈し、他のホメオスタシスの乱れも存在すると推察できます。

 

器質的原因のはっきりしない、腰痛、肩こり、五十肩、手足のしびれなどは、ホメオスタシスの歪み症状(機能的病態)の一部としての筋骨格系の症状であると解釈します。

ストレス理論(汎適応症候群)について(Wikipediaより)

ストレス理論(汎適応症候群)について(Wikipediaより)

ハンガリー系カナダ人のハンス・セリエが唱えた学説で、古典的な学説ですが、現代でも、ストレスによる身体の反応の全体像と捉えるのに優れた理論です。

ハンス・セリエ(1907-1982)

 

ハンス・セリエはストレスを「外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応」と定義しました。また、ストレッサーを「ストレスを引き起こす外部環境からの刺激」と定義しました。ストレッサーには生物的ストレッサー、心理的ストレッサー、環境的ストレッサーがあり、ストレッサーに対して、ホメオスタシスを維持しようとする脳の視床下部や副腎皮質などのホルモン分泌や自律神経系の神経伝達活動により起こる反応汎適応症候群(GAS : General Adaptation Syndromeと名付け、以下の3つの時期に分けました。

1,警告反応期:ストレスに耐えるための内部環境を急速に準備する緊急反応をする時期

  • ショック相:ストレッサーのショックを受けている時期であり、自律神経のバランスが崩れて、筋弛緩・血圧低下・体温低下・血液濃度の上昇・副腎皮質の縮小などの現象が見られ外部環境への適応ができていない状態と言える。このショック相は、数分〜1日程度持続する
  • 反ショック相:ストレス適応反応が本格的に発動される時期で、視床下部、下垂体、副腎皮質から分泌されるホルモンの働きにより、苦痛・不安・緊張の緩和、神経伝達活動の活性化、血圧・体温の上昇、筋緊張促進、血糖値の上昇・副腎皮質の肥大・胸腺リンパ節の萎縮といった現象が見られる。

 

2,抵抗期

 生体の自己防御機制としてのストレッサーへの適応反応が完成した時期で持続的なストレッサーとストレス耐性が拮抗している安定した時期である。

しかし、この状態を維持するためにはエネルギーが必要であり、エネルギーを消費しすぎて枯渇すると次の疲憊期に突入する。しかし、疲憊期に入る前にストレッサーが弱まるか消えれば、生体は元へ戻り健康を取り戻す。

 

3,疲弊期

 長期間にわたって継続するストレッサーに生体が対抗できなくなり、段階的にストレッサーに対する抵抗力(ストレス耐性)が衰えてくる。疲憊期の初期には、心拍・血圧・血糖値・体温が低下する。さらに疲弊状態が長期にわたって継続し、ストレッサーが弱まることがなければ、生体はさらに衰弱してくる

 

 

慢性疼痛、慢性疲労の方には疲弊期の方々が多いようです。

機能的病態(未病)について

機能的病態(未病)について

人は絶対的健康から死へ向かう存在です。そして、

1、絶対的健康

⇒2、機能性病態

   (病気まで至らない身体の不調 未病)

⇒3、器質的病態(病気)

⇒4、致死的病態(死のまぎわの状態)

⇒5、

この順番で死に至ります。

 

2の機能性病態のことを未病を言います。

整形外科の症状での、未病と言える症状は、器質的原因の影響の小さい、肩こり、腰痛、一時的な神経痛、五十肩などです。

この症状の方々は、一時的な筋筋膜、関節包、神経、筋骨格系のバランスの異常が認められ、一時的には、各種注射(関節内注射、トリガーポイント注射、筋膜のハイドロリリース、腱鞘内注射、ブロック注射)、各種鎮痛剤、各種徒手療法(世界中で行われている理学療法士のさまざまな手技)で改善しますが、これらの症状を繰り返したり、症状が多くあったり、長く続いたりすることは、命が削られる状態であり、器質的疾患(高血圧、糖尿病、精神疾患、がん、心血管傷害、脳障害、免疫系の疾患など)の前触れであり、健康の危機と捉えます。

 

この時期に、単に、痛みや身体の機能を一時的に改善するだけでなく、命を救う医療、未病を治す医療を施します。

未病を治すには、自分自身の身体を壊していく、「生き様」の関わりを吟味することが大切です。

「生き様」には、自分自身の生活スタイル、取り巻く社会への適応の仕方、考え方のくせ、自身を支える世界観、人生観などが関わっています。

そして、機能的身体症状に対して、直接に身体療法である、理学療法士の徒手療法、鍼灸マッサージ治療、アロマセラピー、リンパマッサージ、漢方薬投与、適切な食事療法、時に適切なサプリメント投与を行い、マインドフルネス、禅、温泉などを勧めます・

また、スタッフ全員の、患者さんを健康に導ける、会っただけで、良い感じを受ける、治療的自我が最も大切になります。

スタッフは自分のフィーリングに会う、実際に患者さんに役に立つ心理療法(バリント式医療面接、実存療法、NLP、森田療法等)を身につけ、自身の治療的自我の成長に取り入れます。

 

機能性身体症候群(FSS)について

身体因性偽神経症について